狙い目の新規事業を見つけるポイントとは?
新規事業を担当する場合、自社のリソースを使って投資としてチャレンジする場合がほとんどなので、出来る限り成功確率が高いものを始めたいですよね。
もちろん、新規事業はどれだけ良い計画を立てていても受け入れられるかは実施してみないと分からない投資の側面もあります。
リスクを抑えて勝ち目を高めるためにも、狙い目の新規事業はどこにあるのかを意識して情報を拾い上げることが重要です。
この記事では、新規事業の狙い目、実施するまでや実行後の進捗管理について解説していきます。
新規事業の狙い目は異業種にあり
新規事業の狙い目として意識するべきポイントは、異業種の取り組みです。
異業種では当たり前のことでも、自分たちの業界では革新的な取り組みという場合もあります。
異業種の取り組みはイノベーションになりうる
異業種の会社が行っている取り組みは、別業種からみるとイノベーションとなることも多くあります。
例えば、メイク用品を購入するとき、従来では美容部員によるタッチアップで色味や肌との相性をチェックするのが常識でした。
しかし、現在では仮想空間の技術を応用して、画面上で自分にはどの商品が合うのかをチェックすることができます。
また、現在流行しているサブスクリプションモデルは元々動画配信サービスや音楽サービスで始まりましたが、今では車の購入プランや飲食店でも取り入れられています。
新規事業に異業種の考え方を取り入れるためのポイント
新規事業に異業種の考え方を取り入れるには、幅広い業種の考え方を意識的に収集する必要があります。
業界のニュースや競合他社の取り組みを見て「どのように差別化を図るか」よりも、マーケットを広く見て「世の中で何が流行っているのか」を収集しましょう。
狙い目の新規事業をスムーズに進める方法
狙い目の新規事業が見つかったら、できる限りスピーディーかつスムーズに実現する必要があります。
実現まで時間がかかってしまうと、せっかく見つけた新規事業を他社に先んじられる可能性もあります。
特に重要なポイントとして、次の4つのポイントを押さえておきましょう。
KGIとKPIを決める
KGI(Key Goal Indicator)は事業の最終的なゴールを指す言葉で「重要目標達成指標」と訳されます。
新規事業を考える際に「この事業がどうなれば成功なのか」を明確にすることでリソース配分や期限、コストなどを想定できます。
また、KPI(Key Performance Indicators)はKGIを達成するための中間目標群です。
仮に、最終的な目標=KGIが新規事業による売上創出だと考えてみましょう。
その場合、KPIは顧客数や単価など売上を構成する要素が当てはまります。
KGIとKPIを決めることで、目標達成に対する現状把握やボトルネックを見つけやすくなり改善スピードが早まります。
判断ライン・撤退ラインを決める
既存事業であれば、KGIやKPIを設定して進捗をチェックするレベルで問題ありません。
しかし、新規事業では「判断ライン」と「撤退ライン」といったリスクマネジメントも重要です。
判断ラインは「事業をいつ、どう判断するのか」の基準で、撤退ラインは「うまくいかなかった場合に撤退する基準」です。
新規事業の場合、従来の業務にはない仕組みを取り入れたり、オペレーションフローを特別に組むこともあります。
また、ほとんどが既存事業による利益や資本借入によって投資をする取り組みです。
立ち上がるまでの工数を考えると、一度開始した新規事業は何とか続けようと考えてしまいがちです。
しかし、事業である以上、続けるメリットがなければ存続させることは企業にとってリスクになります。
だからこそ、新規事業の評価をいつ判断するのか、うまくいかなかった場合に撤退する基準を明確にしておくことが大切です。
現実性とマーケットサイズをチェック
新規事業を進めるうえで重要なKGIやKPI、判断ラインや撤退ラインを設定するためにはマーケットサイズを把握する必要があります。
マーケット自体のサイズが10億なのか1000億なのかで目標設定や取るべき戦略も変わってきます。
たとえば、10億のマーケットに新規事業で参入する際に目標であるKGIを売上10億とするとシェア率100%となり現実的では無い数字です。
一方で、1,000億のマーケットであれば10億の目標はシェア1%となるので現実的な数値となります。
新規事業の計画が単なる数字合わせにならないように、根拠を持って計画を立てましょう。
まずは小さく始める
新規事業を始める際に、ある程度スキームが固まったら小さく始めてテストデータを取ることは非常に有効です。
ミニマルな構成でスタートして、進捗を追って数字面で想定通りかどうかといった部分はもちろん、計画段階では把握しきれないタスク抜けやフローの整理など実務面もチェックできます。
狙い目の新規事業の進捗管理
新規事業をスタートさせたあとには、進捗管理をしっかり行い事業の状態をチェックしましょう。
KPIに沿って状況を把握
最終目標であるKGIを達成するためのポイントがKPIです。
つまり、KPIを1つ1つ達成することが新規事業の成否を決めます。
売上が目標であれば顧客数や購入単価、リピート率をKPIにして達成度合いを測り、日々改善していく必要があります。
また、システム開発であればローンチという目標に向けて、各タスクの期限や必要なレビューといった日程をKPIとして管理するのもおすすめです。
判断ラインで追加投資か撤退かを検討
新規事業はあくまで想定の上で実施されており、ユーザーニーズの状況によっては伸びない場合があります。
事前に設定した判断ラインに則って、KPIの達成状況を確認しながら更なる費用追加を行いグロースさせるのか、撤退するかを決めていきましょう。
撤退する場合
新規事業をスタートさせて、残念ながら撤退する場合はユーザーへの案内や告知をしっかりと行う必要があります。
多少でも利用者がいる状態で事業をストップさせる際は、ユーザーがマイナスイメージを抱えないようにクローズさせましょう。これを怠ると、次の新規事業に影響を及ぼしかねません。
また、しっかりと課題を洗い出し撤退に至った要因を特定することも大切です。
次回の事業を考える際に、チェックポイントとして意識することで成功確率を高められます。
まとめ
新規事業を行ううえでの狙い目は、異業種の取り組みです。
異業種では当たり前のことでも、自分たちの業界ではイノベーションとなることも多く、先んじて取り組むことで大きくマーケットシェアを獲得できる可能性もあります。
KGIやKPIとともに、判断ラインや撤退ラインといったリスクマネジメントも意識して、新規事業にトライしていきましょう。
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