経営層にどう見せる?新規事業の予算獲得に必要なポイントとは

目次

新規事業の予算獲得の難しさ

新規事業を立ち上げるには、様々な準備が必要となります。

例えば、市場調査やユーザーヒアリング、既存事業との兼ね合いなどチェックするべき部分が多くあります。そして、実際に事業化するためには、経営層の承認を得て予算を獲得しなくてはなりません。

予算を獲得するために重要なポイントやプレゼンテーションに必要な内容を把握して、新規事業立ち上げに向けた取り組みを進めましょう。

新規事業は投資案件

企業にとって新規事業は投資案件です。

既存事業の利益や銀行からの借り入れを原資として、新規事業を立ち上げてさらなる売上向上などを見込みます。

一方で、コストが増加するというデメリットがあります。

上手くいかなかった場合には利益が減少したり、借入金だけ増えてしまったりするので、企業としてマイナスにもなり得ます。

だからこそ、思い付きやアイデアだけでは事業化の承認を得ることは難しく、計画が必要となります。

新規事業企画を立てる際のポイント

新規事業の企画を立てる際のポイントとして大切なのは「実現できればどうなるのか」が挙げられます。

既存事業のマイナーチェンジだとアプローチするユーザーは変わりません。

新規事業では、今までターゲットではなかったユーザーに対してアプローチすることになります。新たな利益創出や既存事業とのシナジー効果、顧客満足度のアップなど成功すればどのようなメリットがあるのかをイメージして事業設計を行いましょう。

予算獲得に欠かせない新規事業のポイントとは

新規事業を考えて、実際に事業化する際に避けては通れないのが経営層へのプレゼンテーションです。

予算を獲得する上で、特に押さえておかなくてはならないポイントをご紹介します。

売上とコストのシミュレーション

売上やコストのシミュレーションは新規事業企画の土台となるポイントです。

予想されるコストや、売上はどのぐらい生み出せるのかといったバランスを測ります。

シミュレーションを立てる際におすすめなのは、3パターンで計画を作ることです。

どれだけ悲観的に見てもこれ以下にはならないというパターンをA、通常通りいくパターンをB、上手く伸びるパターンをCとします。

3パターンの想定を行うことで、経営層から確実に指摘される「上手くいかなかった時のリカバリー方法」を考えることにつながります。また、実際に新規事業が始まった際に進捗がどうかの確認にも役立ちます。

現実性と拡張性も想定

新規事業のプレゼンテーションを作成する際には、現実性と拡張性も盛り込みましょう。

どちらも経営層がチェックするポイントです。

1つ目の現実性は、シミュレーションが机上の空論になっていないかを確認します。

よくあるミスとして、企画段階でのマーケットサイズや相場とのズレが挙げられます。

例えば、マーケットサイズが10億円規模にも関わらずシミュレーションでの売上想定が20億円であれば論理が破綻しています。

また、システム開発の相場が1,000万円のところシミュレーション上では100万円など、大きな乖離があると現実性が無いと判断されてしまいます。

進出しようとしている業界の企業へのヒアリングなど、現実性を高めていきましょう。

2つ目の拡張性は、成功した際にどんな展開が可能かを示します。

例えば、化粧品原料のメーカーが自社ブランドを立ち上げてECサイトで販売するというプロジェクトを想定してみてください。

うまく成功した場合には、売上実績をフックとして海外に販路を拡大したり、ブランドプロデュース事業を立ち上げるといったことが考えられます。

新規事業によって今までターゲット外だったユーザーにアプローチすることで得られる利益を想定して、事業化のメリットをアピールしましょう。

体制作りの重要性

体制作りは新規事業の成否を決めるポイントです。

どれだけ良いプレゼンテーションで承認を得ても、実際にプロジェクトを開始するにあたって人員が不足していると本末転倒です。社内異動や新規採用、外部パートナーの選定はもちろん、企画者がどのような役割でどう管理していくのかを予め伝えておきましょう。

また、複数の部署をまたがるプロジェクトの場合、部署間のスムーズな連携がキーポイントです。

企業全体を把握する立場の経営層をプロジェクトメンバーとして巻き込むことで、連携の強化が期待できます。

新規事業の予算が獲得できない場合

新規事業をプレゼンテーションした際に、内容や自社が置かれている状況によって経営層の判断で予算獲得がうまくいかない場合があります。

その後、どのようにリカバリーするかは新規事業担当として非常に重要なマインドです。

ボトルネックをヒアリング

新規事業が採用されなかったときには、経営層にしっかりとヒアリングを行いフィードバックをもらいましょう。

基本的にボトルネックとなるのは次の2つのパターンです。

1つ目は、コストがかかり過ぎたり、体制に疑問があるといったプレゼンテーション内容そのものがボトルネックになっている場合です。

改善のために要件を再度チェックして、コストダウンや体制作りを検討することで改善を図りましょう。

2つ目は、経営層のタイミングがボトルネックになる場合です。例えば、プレゼンテーションに問題はないものの、経営層が違う部門の投資に集中したいと考えていることもあるでしょう。

季節指数や需要予測などを参照し、時期を改めて決議を取るように進行しましょう。

ボリュームを抑えて実施する

新規事業の予算獲得が難しい場合、ボリュームを抑えて実施することも検討してみてください。

何件かの顧客を対象にテストケースとして少額の予算を取り、まずは形にして実施してみるという方法です。

システム開発のように大きな予算は取れないため、手作業での集計やアナログな実務を行う場面は多くなりますが、実際に形にすることでさまざまな改善点が見えてきます。

実際に動かしているプロジェクトをブラッシュアップすることで、どれだけのグロースが見込めるかがリアルな感覚となり、プレゼンテーション時の経営層への説得力も高まります。

新規事業で予算獲得するポイントのまとめ

新規事業で予算を獲得する際のポイントは、複数パターンのシミュレーション、現実性と拡張性を加味したプレゼンテーション、プレジェクト進行をスムーズに行う体制構築力の3つが重要です。

仮に、予算獲得が難しい場合はボトルネックを聞き出したり、時期を改めて提案したりしましょう。

企業にとって、新規事業は投資です。

「勝ち目がある」と経営層にしっかりとアピールし、予算獲得を目指しましょう。

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