新規事業を始める際は様々なリスクがつきものです。しかし、そのリスクは事前・事後に正しく対処することで新規事業の立ち上げをスムーズに進め、軌道に乗せられます。
本記事では新規事業のリスクマネジメントや実際の事例を紹介します。
新規事業におけるリスクマネジメントの重要性
リスクマネジメントとは、リスクを「事前対応できる/できない」や「影響度が高い/低い」、「発生確率が高い/低い」などで分類して管理し、事業の損失を最小限に抑えることです。
健全かつ適切な業務を遂行するために必要不可欠です。
一般的に下図のように「回避」「移転」「受容」「低減」の4象限で分類できます。
リスク回避
1つ目はリスク回避です。発生確率と影響度いずれも高く、回避することが難しいものです。
リスク低減
2つ目はリスク移転です。発生確率が低く、影響度が高いものは、リスクによる影響を第三者に移すことです。
リスク移転
3つ目はリスク受容・保有です。影響度を明確にした上で受け入れることです。
リスク保有
4つ目はリスク低減です。発生確率が高く、影響度が低いものは、受け入れられるレベルまでリスクを抑えておくことです。
新規事業のリスクを洗い出すプロセス
リスクマネジメントについて分かっていただけたタイミングで、新規事業のリスクマネジメントのプロセスを紹介します。
リスクの洗い出し
まず、思いつく限り新規事業立ち上げに関わるリスクを挙げましょう。最初のリスクの洗い出しが不十分ですとこの後のフローが全て効果が薄くなってしまいます。
また洗い出す際、注意することは知らないうちに起こる可能性が低いリスクを見逃してしまうことです。そのようなことを防ぐために、他部署にヒアリングしたり、外部リソースを活用したりしましょう。そうすることで、様々な視点のリスクをリストアップできます。
リスクの分析・評価
洗い出したリスクの重要性を把握するために分析し、評価します。発生率や影響度など細かく分析しましょう。
例えば、情報漏洩や不良品のリコール対応など想定できるものは過去の事例から影響度を把握しましょう。
顧客からの信頼度の低下やインシデント対応による人件費の増加など、直接的なものから間接的なリスクまで評価することが大切です。
リスク対応策の実施
リスクの頻度や重要度を評価したら、それをもとに優先度を立てて対応策を考え、実施します。先ほど紹介した4象限を参考にリスクを分けることでリスクマネジメントできます。
リスク対応策のモニタリング・改善
実施したリスクマネジメント によって、リスクの発生確率、規模をどれだけ軽減できたのかをモニタリングします。
もし、リスクの発生が軽減できたら、そのアクションが疎かにならないように管理しましょう。もし発生確率を下げられなかった場合は再発防止の改善活動に努めなければいけません。
5W1H(「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」)などで要因分析をし、改善しましょう。もし、自社内で改善策が思い浮かばない場合は外部リソースを活用することをおすすめします。
新規事業におけるリスクマネジメントの事例(具体例)
このチャプターでは、新規事業のリスクと具体的なマネジメント方法を紹介します。
新規事業の戦略・アイデアが市場とずれた場合
こだわりを持って新サービスを開発した。しかし、市場調査が十分に出来ておらずニーズが少なかった。
これはサービスリリース後、よくある話です。リリース後にニーズが少ないという事象は多大な影響を及ぼします。そのためこのリスクを「回避」するために事前に申し込みの広告を配信し、市場のニーズ有無を検証することが重要です。
参入のタイミングが遅れる
入念な市場調査と事業計画の策定。その結果、競合が増えて、新規参入が難しくなった。
せっかく時間をかけて新規事業の事業検証をしても、リリースができなければ努力が水の泡です。そのようなことを事前に「回避」するために低コストで検証しながら事業計画(売り上げ、必要コスト)を高精度に策定しましょう。
十分な集客が見込めない
有名な制作会社に依頼してお洒落なWebサイトを作成。しかし、サイト流入が想定以上に少なかった。
こちらは、集客チャネルごとで集客数、費用を把握できるように検証しましょう。そのため、Webサイトに絞らずSNSやデジタル広告など集客チャネルを分けてリスク分散することが重要です。または集客を広告代理店などに依頼するなど第3者に「移転」することも出来ます。
まとめ
いかがでしたか?本記事では、新規事業のリスクマネジメントについて紹介しました。
株式会社アクリオでは新規事業創出の代行サービスを行なっております。
・新規事業を立ち上げる際のリスクをリストアップをしたが、抜け漏れがないか相談したい
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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