不動産業界で新規事業を立ち上げるには?ITを活用したアイデアがポイント

新規事業 不動産
  • 不動産業界での新規事業立ち上げを検討している
  • 不動産業界での市場規模を知りたい
  • 不動産業界で注目されている事業を知りたい

このような要望・悩みを抱えていませんか?

今回は不動産業界の市場規模や注目されている事業を紹介します。

目次

不動産業界の市場規模

2020年-2021年の不動産業界の業界規模は15兆5,399億円※1となっています。

不動産 市場規模
出典元:業界動向SEARCH.COM 不動産業界

国土交通省が公表している不動産価格指数によると住宅総合※2やマンション、商業用不動産総合※3は伸びています。

しかし、オフィスの不動産価格指数は令和2年の1-3月から減少傾向です。在宅勤務が定着しつつあるため、都心のオフィスビルの需要は減少傾向です。

そのため、コロナウイルスによる不動産業界の落ち込みはあるものの、一時的だとされています。

新規事業 不動産 物価
引用元:不動産価格指数 令和3年7月・第2四半期分

※1:主要対象企業146社の売上高の合計
※2:住宅を含む全ての住宅用不動産
※3:マンションを含む全ての商業用不動産

不動産業界の未来を握る項目

不動産業界で新規事業を立ち上げるにあたって、抑えておきたい項目はこちらです。

緊急事態宣言による移動制限

1つ目は緊急事態宣言による移動制限です。先ほど紹介した通り、商業用不動産総合の価格指数は伸びているもののホテルをはじめとするレジャー施設は大打撃を受けています。

やはり、不要不急の外出やイベント、出張の自粛や入国制限の発動による訪日外国人の減少が要因だと考えられます。2021年11月時点ではコロナウイルスの感染者数が減少しているので、これからの動向を確認しましょう。

在宅勤務の定着

2つ目は在宅勤務の定着です。働きかた改革や東京オリンピックの対応、感染症対策をきっかけに在宅勤務が進んでいますが、メリット・デメリットがあります。会社側のメリットは固定費の軽減、働き手は移動時間・ストレスの緩和などです。

といっても、在宅勤務できる業務領域が限定されていたり、「在宅疲れ」の声も上がっていたりします。在宅勤務と親和性の高いIT業界が高単価の都心オフィスを借りているので、今後のIT業界の在宅勤務へのシフトに着目しましょう。

ECサイトの拡充

3つ目はECサイトの拡充です。近年、デジタル化によって実店舗を持たないお店が増えています。ECサイトを活用することで店舗の賃貸料や人件費など固定費の削減が可能です。多くの企業では、ECサイトはお店を開くことはできるものの、運営スキルが乏しいため、多くの企業ではコンサルタントを活用しています。

しかし、ECサイトではなく実店舗で目の前の商品に触れ、購入を検討したいという顧客も一定数存在します。生鮮食品や衣服類は鮮度やサイズ感など実際に目で見る、試着するなどしないと気づけないこともあるからです。

近年、Amazonでは「Prime Try Before You Buy」という衣服類やバックなどを取り寄せ、試着後に購入を決定した商品のみ代金を支払えるサービスがあります。このようなECサイトの動きも不動産業界の未来に影響するので、こちらも留意しましょう。

不動産テックの拡大

4つ目は不動産テックの拡大です。不動産テックは不動産×テクノロジーの略であり、英語では「Prop Tech」、「ReTech:Real Estate Tech」とも呼ばれます。テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのことを指します。

不動産業界で新規事業を立ち上げるメリット・デメリット

不動産業界で新規事業を立ち上げるメリット・デメリットはこちらです。

メリット:経営が安定する

不動産業界で新規事業をはじめるメリットは経営が安定する点です。他業界の開業と比較すると開業資金が抑えられる、在庫を抱えなくて済むなど新規参入の障壁がそこまで高くありません。

また、1つの契約で動く金額が大きいため、実績が利益・収益に繋がります。扱う不動産によって、土日祝日や夜に働くケースもありますが、比較的自身でスケジュール管理することができるのもメリットの1つです。

デメリット:取り扱う金額が大きい

不動産業界で新規事業をはじめるデメリットは、取り扱う金額が大きいことです。不動産事業は収入が大きい分、支出額も大きいです。そのため、資金繰りに失敗してしまうと倒産してしまうケースがあります。

また、不動産業を営む際、営業保証金として1,000万円を法務局に預けるまたは、保証協会に加入しなければいけません。保証協会に加入した場合は営業保証分担金として60万円で済みますが、コストが掛かります。

そのため、安定して経営しやすい分、資金繰りには最新の注意を払いましょう。

不動産業界の新規事業の例

ここでは、不動産テックの代表的な企業・サービスを紹介します。

Airbnb

Airbnb(エアービーアンドビー)とは、部屋・家を貸したい人(ホスト)と部屋を借りて滞在したい旅人(ゲスト)をつなぐWebサービスです。日本を含む世界190ヶ国34,000以上の都市で展開されています。近年、部屋・家に限らず土地や島、テントなどを幅広いものの貸し借りが行われています。ITを通じて空き家やシェアハウスを民泊化した代表的なサービスです。

WeWork

WeWork(ウィーワーク)は世界120都市、約800拠点で展開するシェアオフィス・コワーキングスペースです。主なサービスは起業家やテクノロジーを活用する企業にワークスペースの提供です。また、単なるワークスペースではなく「コミュニティ型ワークスペース」を運営しています。

「コミュニティ型ワークスペース」の目的とはWeWork会員同士が繋がりやすくするため、各拠点に在籍しているコミュニティーマネージャーが、イベント企画やSNS(アプリ)運用を通して繋がりを作ることです。

そのため、スタートアップと大企業のような横のつながりを強化し、時には取引が生まれます。ITを活用して、空きオフィスやスペースをシェアオフィスやコワーキングスペース、レンタルスペースなどとしてサービス提供する代表的な企業です。

株式会社タスキ

株式会社タスキは不動産領域のデジタル化をリードしている企業です、具体的には新築投資用IoTレジデンスの企画・開発を中心としており、テクノロジー関連のスタートアップ企業へ出資や、不動産投資型クラウドファンディング事業などさまざまな不動産テックに関わる事業を行っています。

また、自社のテクノロジー活用だけでなく、不動産業界全体のデジタル化を推進するためにAIを活用した業界初の土地活用シミュレーター「TOUCH & PLAN」の構築を進めています。「TOUCH & PLAN」とはAIを活用し、構築プランと事業収支を短期間で算出する仕組みをもったプラットフォームです。

電気通信大学との産学共同で開発しており、将来的には事業者をはじめ土地保有者や不動産投資家、税理士などにも提供し、情報の非対称性が大きい不動産業界の抱える課題解決を目指しています。

不動産業界で新規事業のアイデアを出す着目点

ここでは不動産業界で新規事業のアイデアを出す際の着目点を紹介します。

既存の資産をデジタルと掛け合わせて、どのように活用するか

先ほど紹介した、不動産とITを組み合わせた不動産テックは外せません。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 資金調達を募る「クラウドファンディング」
  • 不動産の仲介、管理業務を自動化する業務支援ツール
  • 物件に直接赴かず、いつでもどこでも内見できるVR
  • 屋外から室内の温度調整や家電の操作ができるIoT
  • 空き家やシェアハウスを民泊化
  • 空きオフィス、スペースをシェアオフィスやコワーキングスペース、レンタルスペースなどとして活用するスペースシェアリング

このように、ITを通して不動産関連の事業が動いているため目を離せません。

社会課題やトレンドを把握する

2つ目は社会課題やトレンドを把握し、不動産を活用して、どのように解決できるかを考えることです。


不動産業を営む際は社会課題やトレンドを把握する必要があります。たとえば、日本が抱える社会課題やトレンドはこちらです。

  • 東京オリンピック、パラリンピック
  • 少子高齢化
  • リモートワークの増加
  • 外国人の受け入れ

少子高齢化で空き家が増加、リモートワーク増加により企業が賃貸オフィスを撤退する可能性があります。

その反面、日本の労働人口を補うために外国人労働者を受け入れたり、リモートワーク活性化により、コワーキングスペースやシェアオフィスに需要が高まったりと需要と供給は常に変化します。

そのため、社会課題やトレンドを先読みし、自社が不動産業を通して何を提供できるかを考えましょう。

まとめ

いかかでしたか?本記事では不動産業界の新規事業立ち上げを検討している方に役立つ情報を紹介しました。

ポイントは、以下です。

  • 「緊急事態宣言による移動制限」や「在宅勤務の定着」、「ECサイトの拡充」などが影響し、市場規模の変動が予測されるので、それを見越して新規事業の企画・推進を行う
  • 不動産とITを掛け合わせた、「不動産テック」が盛り上がっている

不動産市場で新規事業の立ち上げを検討している方のお役に立てたら幸いです。
一読、頂きありがとうございました。

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