既存事業から新しく事業を始める人やこれから起業する人にとって、新しいアイデアはビジネスに直結するもの。
しかし、新しいアイデアを出すことは簡単なことではないですよね。
今回は、「新規事業のアイデアをなかなか生み出せない」と困ったときに使える、考え方とフレームワークをご紹介いたします。
新規事業のアイデアが湧いてこないのはどうして?
「なぜアイデアを生み出すのは難しいのか」多くの人はこういった疑問を抱いたことがあると思います。
逆に「アイデアが生まれてくるのはどんな時か」について考える人はそこまで多くないでしょう。
まずは、アイデアが生み出される瞬間について解説します。
「セレンディピティ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「セレンディピティ」とは、「予測していなかった偶然によってもたらされた幸運」と定義されています。
この「もたらされた幸運」がアイデアです。
こう聞くと、アイデアは「急に出会うもの」「偶然見つけるもの」と思われますが少し違います。
新しいアイデアは、まったくのゼロから降ってくるのではなく、複数の既知の思考や情報が結びつき生まれるものです。
つまり、自分がこれまでインプットしてきた情報や思考の過程があったうえで、そこに外からの知識が「掛け算」されたときに「セレンディピティ」は起こります。
多くの人は、アイデアを考える際に「実現可能なのか」「論理は破綻していないか」などと論理的に考えてしまいがちです。
しかし、重要なのは「論理が合っているのか」ではなく、それを一旦無視して「無責任」に物事を考えてみること。
そうすることで、セレンディピティが訪れやすくなり、新しいアイデアが生まれやすくなるでしょう。
【誰でもできる!】新規事業のアイデアを捻りだす方法5選
1.他社の事業からヒントを得る
世の中に登場した時には、革新的と言われていた事業でも、現在ではビジネスモデルとして確立されたものが多数存在しています。
成功しているビジネスモデルを、自分の考えた新しい商品やサービスに応用することで、新規事業のきっかけにできます。
例えば、毎月定額を支払うことでサービスを利用できるサブスクリプションもはじめは革新的なものでした。しかし、今では多くの人の生活に浸透し、当たり前のものとなっています。
このようなビジネスモデルを新たな商品やサービスに応用することで、一から自分で考えるよりも簡単に事業として立ち上げることができます。
2.ライバル会社の強みと弱みを研究する
自分自身の長所や短所を分析する時、自然と他人の長所や短所と比較した経験はありませんか。
会社も同様に、ライバル企業の長所や短所を研究することで、自社の強みや弱みを知ることができます。そこから、新規事業の可能性を見出すことができます。
また、自社で提供しているサービスや商品のメリットとデメリットを知り、他社と比較することで新たな商品開発ができます。
3.予算に捉われずに青写真を描く
私たちは、アイデアを考える際、自社の予算を含めて考えがちです。
もちろん考えたアイデアを実現するために、予算は重要。
しかし、予算に縛られていては、同じようなアイデアしか生まれません。
一旦、予算は無視して考えてみましょう。アイデアが固まったら実際の予算で実行できるのかを検討するほうが、新規事業のアイデアも生まれやすくなるのではないでしょうか。
4.課題を思いつく限り考えてみる
新規事業において「何が課題なのか」をしっかりと認識することが大切です。
なぜなら問題の認識が間違っていた場合、計画全てが間違った方向に進んでいくからです。
できるだけ制限をかけることなく課題を考えてみましょう。
5.フレームワークを使ってみる
事業計画について、時間をかけてじっくりと計画できれば良いのですが、時間は非常に貴重です。
特に新規事業ではスピードが求められます。
計画に時間をかけると、競合に先を越されたり、環境の変化によって機会損失が発生してしまうからです。
そんな時は、フレームワークが非常に有効です。
フレームワークはある程度の枠組みが決まっており、そこに要素を当てはめていくだけで分析結果を導き出すことができます。
考える時間を短縮することで、計画にかける時間と労力を抑えることが可能です。
新規事業のアイデアを考えるフレームワーク3選
5W1H
5W1Hは型にはめてアイデアを考える時に便利なフレームワークです。
- When:いつ
- Where:どこで
- Who:だれが
- What:何を
- Why:なぜ
- How:どのように
上記の英単語の頭文字を取ったもので、伝えたい内容をこの要素に沿って構成すると、情報を整理できる便利なものです。
有名なフレームワークのため、多くの人が使用しています。
アイデアを出す際に、最初に試してみると良いでしょう。
SCAMPER法
SCAMPER法は、以下の7つの考え方でアイデアを広げるフレームワークです。
代用:代用できないか?
組合せ:他のものと組み合わせられないか?
適応:応用できないか?
修正:修正できないか?
別用途:転用できないか?
削減:削除、削減できないか?
逆転:逆転できないか?
視点を限定することで、アイデアが出やすくなります。
ある程度のアイデアが出てきたときにSCAMPER法を使うことで、アイデアに広がりが生まれます。
マンダラート
マンダラートは、仏教に登場する曼荼羅(マンダラ)模様に似たマス目にアイデアを書き込んでいくことで、自然に発想を広げていく技法のことです。
9つのマスの中央にテーマを置き、残りの8マスに連想できる単語を埋めていくことでアイデアを考えやすくします。
「すべてのマスに言葉を入れる」以外の決まりも特にないため、書く人によって生まれるアイデアも大きく変わるのが特徴です。
新規事業のアイデアを形にするにはどうすれば良い?
ここまで、新規事業のアイデアを生み出すまでの考え方やフレームワークを紹介してきました。
では、実際にアイデアを形にするにはどうしたら良いのでしょうか。
まずは行動!「実現できること」を理解する
どんなに素晴らしいアイデアを思いつき、完璧な計画を立てたとしても、実際に行動しなければ実現には繋がりません。
もちろん、行動だけでは意味がありませんが、行動したからこそ見えてくる課題もあります。
また、実際に動いてみることで、実現できたという自信も湧いてきます。
「しっかりとした計画を立てたうえで、すぐに動く」ということを意識していきましょう。
納期を決めて新規事業の立ち上げを行う
人が行動を起こすのは、期限があるからです。
あなたは、パーキンソンの法則をご存じでしょうか。
締め切り効果と呼ばれるもので、締め切りがあるからこそ人は駆り立てられます。
新規事業を立ち上げる自分を駆り立てるためにも、目標を達成させる締め切りを決めることは有効です。
広告の父、デイヴィッド・オグルヴィ氏は
「人間最大の発明はdeadline(締め切り)」と言いました。
基本的に人間は作業を後回しにしてしまう癖があります。
後回しを防ぐためにも、締め切りを決めて目標に集中するようにしましょう。
まとめ
新規事業のアイデアは時間をかけて考えても、なかなか生まれないものです。
「良いアイデアが思いつかない」と困った時には、今回ご紹介した考え方やフレームワークを使ってみてください。
多方面からから考えることで、アイデアが生まれやすくなるかもしれません。
そして「予算が足りない」や「論理的ではない」などと自分のアイデアに制限をかけないようにしましょう。小さいアイデアでも「どうすれば事業にできるのか」を考えていくことが重要です。
そのアイデアが有益な新規事業となった際には、誰かの人生をより良い方向へ変えることになるでしょう。
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