新規事業における「ニーズ」とは何か
「ニーズがあると思って、新規事業を始めたが伸び悩んでいる」
「現在の事業に本当にニーズがあるかわからない」
事業の立ち上げにあたって、上記のようなことを思ったことありませんか?
新規事業を継続するうえで顧客のニーズを知るということはとても重要なことです。
今回は、新規事業を行う上でのニーズ調査の方法や手順、気をつけるべきポイントを解説します。
新規事業が伸び悩んでいる方、提供するサービスが本当にニーズがあるのか不安な方は、ぜひ参考にしてください。
新規事業を行う上でのニーズ調査の方法
インターネット調査
ウェブ上にフォームを用意して、調査対象者に入力してもらい回答を集める方法です。
他の調査法と比べて、比較的低コスト、短期間で実施可能ですが、高齢の方などインターネットをあまり使っていない人は調査対象にできないのがデメリットです。
郵送調査
質問票を郵送で送り、返送してもらい意見を聞く調査です。
実際にインタビューするよりは、コストも低く、広範囲を対象にすることができます。
しかし、ポストに投函する事が面倒に思われたり、調査内容に驚異がないと回収率が下がってしまうこともあります。
インタビュー
直接顧客へ質問して、意見を聞く調査のことです。
インタビュアーがさまざまな視点から質問して、顧客の深いところにあるニーズなどを引き出していく手法です。
インタビューにはグループインタビューとデプスインタビューの2種類があります。
- グループインタビュー
調査対象者を4〜6名程度集め、司会者がテーマについて質問を行い話し合ってもらう座談会形式のインタビューです。
- デプスインタビュー
対象者とインタビュアーの二人だけで行う面談形式のインタビューです。
新規事業のニーズ調査の手順
①調査の目的を明確化する
まず最初に、新規事業に参入する意図や目的をしっかりと把握します。
これから事業をどう展開していくか、どういう方向性で進めるかなどを考えながら最終的に達成すべき目標が何かを決めていきます。
この時、会社の経営者がどんな結果を求めているのかも確認した上で決める事が重要です。
一般的に、事業を始めてしばらくは売上もあまり上がらず、赤字が続きます。
表面的な売上や利益額を目標にしてしまうと黒字になるまでの期間が長く、経営者が自信を失ってしまう恐れもあります。
目標を立てる時は、事業全体の評価を高める様な目標を立てる事が重要です。
②調査方法を決定する
どの様な手法を使い、市場調査を実施するかを決めましょう。
調査の課題と目標に合うように柔軟に、調査手法を選択することが重要です。
市場調査は目的がさまざまです。
例えば、市場分析だと消費者の顕在ニーズやライフスタイル、ターゲット層など市場の基礎的な情報を集める目的があります。
目的にあった方法を使用し、調査を進めましょう。
また、ターゲットが好むメディアなどの媒体や普段の情報収集の仕方を知ることも、調査する上で重要なポイントです。
例えば、昨今の若年層はインターネットの検索よりもSNSの検索機能を使う人が多いと言われています。
そのため「若年層向けの事業を立ち上げる際は、SNSを意識して行わなければ利益は見込めない」など、年代別での把握もしておきましょう。
③調査の実施
②で決めた調査手法に従って調査を実行します。特にインタビューなどの定性調査を行う場合は、相手のニーズをうまく聞き出せるスキルを持った調査員を選ぶことが大切です。
スキルが豊富でない人材が担当してしまった場合、間違った資料が出来上がってしまうからです。
新規サービスのアイデアを得るために、市場調査は重要になってきますが、平均的な顧客からは人並な答えしか出てこない事が多いです。
その理由は、顧客自身も潜在的、将来的なニーズには気づいていないからです。
顧客に頼り切ったアイデア出しをするのではなく、消費者自身も気づいていない潜在的な悩みが何かを考えるのも重要です。
また、支えてくれる良い顧客だけでなく「アンチ」といわれる、サービスに対して極端に悪い意見を持つユーザーに対して調査をすることも有効です。
④調査結果の分析とアクション
調べた調査結果を資料にまとめます。分かりやすくまとめるなど資料作成には高いスキルが必要になるため、企業に外注するのも1つの手法としておすすめです。
そして、調査結果がまとまれば、結果の分析から導いた考察をもとに施策を考えます。
仮説を立案するための調査だった場合は、検証のためのアクションを決めます。
仮説を検証する調査だった場合は、結果をもとに次のアクションを決めます。
ニーズ調査を行う上で気をつけるべきポイント
調査ターゲットは正しいのか
市場調査の時は新規事業のターゲットの年齢層、性別などを明確にしなければなりません。
例えば、同じ商品を売るにしても、30代男性と40代男性では感じ方が異なる場合が多いからです。
また、価格設定には世帯の年収や既婚・未婚を明確にすることが重要。
新規事業を立ち上げる際はどんなターゲットにするのか、できるだけ細かく決めましょう。
仮説は正しいのか
調査を行う上で、仮説を立てることはとても重要なポイントです。
仮説とは調査したいことに対する「予想」のようなものです。
仮説をしっかり立てないままに調査をしてしまうと、結果をどう使えばよいかわからなくなってしまいます。
具体的にしっかりとした仮説を立てましょう。
調査にかかるコストは適切か
調査を行う場合は、費用対効果を意識しましょう。
調査の規模によって、調査にかかる費用や時間のコストが大きく変わり、大規模の調査を行えば、当然コストも大きくなります。
大量の調査は行えば行うだけ多くのデータを得られますが。不必要に膨大なデータを集めてしまうと、結果としては変わらないのに費用だけが増えるということにもなりかねません。
そのため、どれくらいのサンプル数で必要なデータが得られるのかを明確にすることが重要です。
まとめ
今回は、新規事業を立ち上げるために必要なニーズやその調査方法について解説しました。
ニーズ調査では、顧客がどんな事を考えて商品を購入し、サービスを使っているのか、商品に対してどんな印象を持っているのかといった実際の声を知ることができます。
調査方法の選定や仮説を立てたりと工程は多くありますが、顧客の正確なニーズを知ることが事業の継続につながります。
ぜひ、今回ご紹介した手順や方法を使い、事業の立ち上げ、発展に繋げてください。
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