新規事業創出を成功に導くプロセスやフレームワークを紹介!

目次

新規事業創出のプロセス

新規事業の創出は、企業を続けていく上で重要なポイントです。

しかし、今までにないような事業を作ることは簡単ではなく、大量の時間やお金をかけても結果が出なかったケースという場合も多くあります。

では、新規事業の創出にはどういった段階があり、何を準備する必要があるのでしょうか?

今回は、新規事業を創出するためのプロセスとフレームワークをご紹介いたします。

これから新規事業を立ち上げなければいけない方、既に事業を始めているがあまりうまくいってないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

①事業アイデアを考える

新規事業を創出するには、アイデアが必須です。

しかし「こんな事がやりたい」というチームだけの気持ちだけが先行してしまい、ニーズがない領域で新規事業を立ち上げても意味がありません。

顧客の課題を考え、それを解決した時にどんな価値が生まれるのかという「顧客視点」からの発想が良い事業を生み出すポイントです。

②市場の調査

そのアイデアを事業化した時に、どの程度の収益が見込めるのか、市場の成長性やリスク、競合他社に関する情報をあつめて分析しておきましょう。

③事業内容の構築

アイデアと市場を選択したら、実際の事業モデルに展開していきます。

事業モデルとは、事業に必要なリソースを各工程でどう使うかをまとめたものです。

チームにどれくらいの人材が必要なのか、資金をどれくらい調達すればいいのか具体的な内容を決めておきましょう。

④新規事業を分析する

実際に事業をリリースしてみると、それまでにはわからなかったサービスの弱点などが分かってきます。

顧客のニーズや市場の特徴などをさまざまな方法を用いて、競合他社からの差別化を図り、より顧客が喜ぶサービスへとブラッシュアップしていきましょう。

新規事業創出の重要なポイント

経営資源

新規事業の立ち上げを成功させるためには「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つが経営資源になります。

この4つの経営資源の扱い方、付随する課題を理解することで、事業を立ち上げる際の課題を最小化することができると言われています。

  • ヒト

「どの様なスキルを持つ人間が必要なのか分からない」などの課題が挙げられます。

解決策として、新規事業に必要なスキルは何かを洗い出し「担当する人間のスキルと新規事業との親和性がある場所への配置する」などが必要です。

  • モノ

「これまで培ってきたノウハウなどのモノの資源を活用できるのか」「活用するための方法が分からない」などの課題が挙げられます。

ノウハウなどの資源を細かくリストアップして、市場性を明確にすることが解決につながります。

  • カネ

「どの程度の予算を確保すればいいのか」「予算が足らない」などが課題になります。

解決策としては、既存事業を持っている時は、そのノウハウを有効活用することで、必要なコストを抑える事ができます。

また、市場で必要とされる高い技術を持っている、将来性が高いとされる事業であれば外部からの資金調達も可能です。

  • 情報

どのようなプロセスで進めていくのか、どのような事を評価すべきかなどの課題があげられます。

プロセスの構築や意思決定のノウハウなどがないと、意見の対立が生じ、最終的には事業の立ち上げが出来なくなってしまうこともあります。

解決策としては、多くの種類がある事業に最適なフレームワークなどを見つける事です。

環境の整備

新規事業を成功させるには、環境を整えることも重要です。

特に「ノウハウ」「チーム」「資金」はほとんどの事業で必要な要素といえます。

事業内容によって必要な環境は変化するため、新規事業で生み出す製品やサービス作りには何が必要なのか、一つずつリストアップしましょう。

具体的な行動計画を立てる

事業のプランが明確になったら、どのタイミングで、誰が、何をするのか、具体的な行動計画を立てていきましょう。

行動計画を立てる時は、具体性のみでなく、現実的に実行可能なプランを考えることが重要です。

リスク回避も重要

その新規事業に、これからも需要があるのか見極める

どんなに良いアイデアが生まれ、最高の事業計画ができたとしても、参入市場に将来性がなければ、意味がありません。

需要がなくなる事が予測される分野は実現可能であったとしても、事業としないのが賢明です。

撤退する基準を決めておく

事業が想定通りに進まない時は、撤退も考えなければなりません。

しかし、これまでたくさんの時間とお金をかけてきた事業であればあるほど、諦めきれずズルズルと続けてしまいがちです。

会社としてのダメージを少なくするために「撤退のライン」を決めておきましょう。

チームとして同じ決断ができるよう、撤退のラインとなるものは具体的に数値や状況を明確にしておくことが重要です。

人材を増やし過ぎない

新規事業を進めていく中で、優秀な人材を雇い入れたいという思いはどのチームであっても同じかもしれません。

確かに事業を進めていく上で、人材は必要ですが、増えすぎると意思決定が遅れてしまう可能性も。

つまり、新しいチャレンジや方向転換が必要な場合に、素早い対応できなくなる恐れがあります。

また、頻繁なコミュニケーションが難しくなったり、コミュニケーションコストが上がったりするのも問題です。

人材を増やす中で、生産性が上がるなどのメリットはあるものの、増えることでのデメリットやリスクも必ず存在しています。

その点をしっかりと理解しておき、まずは必要最小限でのチーム作りを検討してみましょう。

新規事業のアイデアを生むためのフレームワーク

では、実際にアイデアを生み出す際に使えるフレームワークをご紹介します。

ブレインストーミング

ブレインストーミングとは、1950年ごろにアメリカで生まれたアイデア発想法です。

ルールを決めて複数人で話し合うものです。

原則として10人以下のグループもしくは個人で行うもので、以下の4つのルールを守りながら行います。

  • アイデアを批判しない

ブレインストーミングの目的は多様なアイデアを集めることです。

さまざまな意見が出るため、時に実現不可能なアイデアが発言されることもあるかもしれません。

しかし、そのアイデアを絶対に批判してはいけません。もしかするとそのアイデアが、別のアイデアに発展するかもしれないからです。

  • アイデアを組み合わせる

ある程度アイデアが出てきたら、それまでに出たアイデアを組み合わせて問題解決できないか考えてみてください。

実現不可能だったアイデアが、意外な形で良いアイデアになるかもしれません。

  • 間を作らない

アイデアを組み合わせるためには、大量のアイデアが必要です。

そのため、ブレインストーミングでは、質より量を意識し「間を作らない」ように発言しましょう。

ブレインストーミングではアイデアを批判されることは禁止されているため、積極的な発言が重要です。

  • 判断や決断をしない

ブレインストーミングはアイデアを出すための方法です。

最終的にアイデアを判断や決断する必要はありますが、ブレインストーミング中に判断、決断をしないようにしましょう。

なにかを決断する場合は、ブレインストーミング後に結論をまとめる会議を行いましょう。

この4つのルールを守らなければ普通の会議と変わらなくなってしまいます。

最初は戸惑うかもしれませんが、ルールを必ず守るようにしましょう。

KJ法

KJ法とは、ブレインストーミングなどで得た情報を付箋などに書き出し、同じ系統のカードをグループ化していくことで、会議内容などをまとめていく方法のことです。

KJ方は以下の流れで行います。

①カード作り

ブレインストーミングで出た、アイデアや意見を付箋などに書き出します。

この時、アイデアを見やすくするためにも「1枚のカードにつき1つの事柄だけを書き出す」ことがポイントです。

②カードをグループに分ける

次に、一つひとつのアイデアをしっかりと読み「印象が似ていると感じる」ものをまとめます。

この作業を、できなくなるまで繰り返して、いくつかの大きいグループをつくります。

この時、分類の大枠を決めた状態で行っていては客観的に整理できないため、必ず小さなグループからまとめ、グループ分けをしていきましょう。

③文章にまとめる

最後に今までのアイデアを文章にしていきます。

情報の関係性を意識して、なるべくカードに書かれている言葉を使い、文章にしていきます。

グループ同士の時系列を意識すること、グループの階層構造を生かして文章にしていくことが重要です。

KJ法を使う事でブレインストーミングで自由に意見を出した分、さまざまな観点で客観的に物事を整理していくことができるため、アイデアを生み出す際の方法の1つとして使える手法です。

シックスハット法

シックスハット法とは、水平思考を提唱したエドワード・デ・ボノ氏によって1985年に考案された方法です。

以下の、6つの視点で帽子を決め、被った状態でアイデアを発想していく方法です。

  • 客観的
  • 直感的
  • 肯定的
  • 否定的
  • 革新的
  • 俯瞰的

実際に帽子を被らなくても、担当を決め、物事をいろんな角度から見ることで新しい発想を生み出す事ができます。

まとめ

今回解説したように、新規事業の創出には、多くのプロセスと要素が必要です。

各工程をおろそかにせず丁寧に進めることで、新規事業が抱えるリスクはある程度抑えられます。

しかし、時間をかけすぎることで立ち上げに数年かかってしまっていては、市場の需要がなくなってしまうなどのリスクもあるため注意しなければなりません。

新規事業を始める際はできるだけ早く計画を立てて、素早く行動する事を心がけましょう。

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